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台北故宮博物院で唐玄宗の玉冊を見る―千三百年の時を超えた皇帝の筆跡

台北故宮博物院には、唐代の栄華を今に伝える貴重な宝物が数多く収蔵されています。

その中でも特に注目すべきなのが、唐玄宗が封禅の儀式で使用した玉冊です。

開元13年(西暦725年)、盛唐期の絶頂にあった玄宗皇帝が、天地に功績を報告するために行った封禅の儀式。

その際に用いられたこの玉冊は、千三百年の時を超えて、私たちに当時の荘厳な光景を想起させてくれます。

玉冊とは何か

玉冊は、皇帝が天地の神々に奏上する文書を玉石に刻んだものです。

封禅の儀式は、皇帝が天下を治める正統性を天地に示す最も重要な儀礼の一つでした。

唐玄宗の時代は「開元の治」と呼ばれる繁栄期であり、この封禅の儀式はその治世の成功を象徴する一大イベントだったのです。

玉冊の構造と特徴

この玉冊は全15枚の玉簡で構成されており、それぞれの長さや大きさは異なります。

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簡と簡の間は金属線で繋がれており、開閉できる構造になっています。まるで玉でできた書物のような趣があります。

玉の表面に刻まれた文字は、刀で彫られた後、上から金を塗り込められました。

しかし、長い年月を経て、金粉はほとんど剥がれ落ちてしまっています。

それでも、玉石に刻まれた文字は今なお鮮明に残っており、当時の職人の高度な技術を物語っています。

唐玄宗自筆の可能性

特筆すべきは、玉冊に刻まれた文字の書風です。

本文は隷書で記されており、整然とした美しさが際立っています。

そして注目すべきは、玉冊の中に楷書で刻まれた「隆基」という二文字です。

これは唐玄宗の本名(諱)(一般には公的な場合以外には使用されることはほとんどなかった)、彼自身の署名と考えられています。

研究者たちは、この玉冊の文字が唐玄宗自らが書いたものであると指摘しています。

玄宗は優れた芸術家でもあり、書道、音楽、詩歌に通じていました。

この玉冊の筆跡は、彼の書風を反映していると考えられており、皇帝としての威厳と芸術家としての洗練が融合した貴重な作品なのです。

歴史的意義

開元13年の封禅は、唐玄宗の治世が最も輝いていた時期に行われました。

その後、安史の乱によって唐朝は大きく揺らぎますが、この玉冊が作られた時代は、まさに盛唐の絶頂期でした。

玉冊に刻まれた文字は、皇帝の自信と天下泰平への祈りを今に伝えています。

台北故宮博物院での鑑賞

台北故宮博物院でこの玉冊を目にするとき、私たちは千三百年前の皇帝の息吹を感じることができます。

玉の持つ独特の質感、金が剥がれ落ちた跡に残る時の流れ、そして何より、玄宗皇帝自らが筆を執ったかもしれないという事実。

これらすべてが、この玉冊を単なる歴史的遺物ではなく、生きた歴史の証人としています。

唐玄宗の時代を描いた歴史ドラマや小説は数多くありますが、この玉冊は、そうした物語の背後にある本物の歴史を私たちに提示してくれます。

台北故宮博物院を訪れる機会があれば、ぜひこの貴重な文化財をご覧になってください。

玉に刻まれた文字の一つ一つに、盛唐の栄華と皇帝の想いが込められているのを感じられると思います。

 

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