北大キャンパスで出会った真実
札幌旅行で北海道大学のキャンパスを訪れた際、思いがけない発見がありました。あの有名なクラーク博士の「Boys be ambitious(青年よ大志を抱け)」の全文を初めて目にしたのです。
これまで私は、この言葉を単純に「野心家であれ」という意味で理解していました。おとなしい日本人に向けて、もっと積極的になれというメッセージだと思い込んでいたのです。しかし、実際の全文を読んで、その真意がまったく違うことを知りました。
クラーク博士が本当に伝えたかったこと
北海道大学に掲示されている全文は以下の通りです:
Boys be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent things which men call fame. Be ambitious for knowledge, for righteousness, and for the uplift of your people. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.
北大による日本語訳:
青年よ大志を抱け。金銭や私利私欲や人が名声と呼ぶはかないものに対して野心的であると言うのではなく、知識や正義や人々の向上に尽くすために大志を抱け。そして、人としてのあるべき完成された姿に到達できるように、青年よ大志を抱け。
言葉の真意に込められた深い意味
この全文を読んで、私の理解は180度変わりました。クラーク博士は決して「野心的になれ」と言っていたのではありません。むしろ:
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- お金のための野心ではなく
- 自分だけの利益のための野心ではなく
- はかない名声のための野心ではなく
真に目指すべきは:
- 知識への探求
- 正義への追求
- 人々への貢献
- 人として完成された姿への到達
断片的な理解の危険性
今回の体験で、有名な言葉でも断片的に切り取られることで、本来の意味とは全く違った解釈をしてしまう危険性を痛感しました。「Boys be ambitious」という部分だけでは、むしろクラーク博士が警鐘を鳴らしていた「自己中心的な野心」を推奨しているように聞こえてしまいます。
現代に生きる教え
クラーク博士のこの言葉は、現代社会にこそ必要なメッセージかもしれません。成功や富、名声ばかりが注目される時代だからこそ、真に価値ある「大志」とは何かを問い直すきっかけになります。
札幌旅行の思わぬ収穫
観光地として訪れた北海道大学で、こんな深い学びがあるとは思ってもみませんでした。美しいキャンパスを散策しながら、歴史ある言葉の真の意味を知ることができたのは、この旅行で最も価値ある体験の一つでした。
皆さんも有名な言葉や格言に触れる機会があれば、ぜひその全文や背景を調べてみてください。きっと新たな発見があるはずです。
札幌の思い出とともに、クラーク博士の本当のメッセージを心に刻んで帰路につきました。