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東京国立博物館 東洋館 1階1室菩薩立像(重要文化財)

東京国立博物館 東洋館 菩薩立像を訪ねて

― 北斉時代552年、中国山西省から届いた慈悲の姿 ―

先日、東京国立博物館の東洋館に行ってきました!

1階の1室に入ってすぐ、静かに立つ一体の仏像が目に飛び込んできました。中国・山西省で造られた「菩薩立像」です。造られたのは552年、北斉時代のこと。日本ではまだ飛鳥時代がはじまる前の、遠い昔の話です。

ツアーの解説を聞きながら「もっと知りたい!」と思い、帰ってから自分でいろいろ調べてみました。私は専門家ではありませんが、みなさんにもわかりやすく伝えられたらうれしいです。

菩薩とはどんな存在か

まず「菩薩(ぼさつ)」という言葉の意味から確認してみましょう。

菩薩とは、悟りを目指して修行しながら、同時に人々を救済する慈悲深い存在のことです。最終的に修行を完成すると「如来(にょらい)」になります。つまり菩薩は、如来になる途中の段階にいる存在です。

その修行の内容には、他の人間や生き物たちの救済活動も含まれます。自ら修行をしながら人々を助けて回っている――そんなイメージです。

「菩薩」という言葉はサンスクリット語の「ボーディサットヴァ(Bodhisattva)」を音訳したもの。意味は「悟りに向かう存在」です。

📝 釈迦が出家される前の姿が菩薩像のもとになっているといわれています。インドの王族や貴族の服装で、豪華な装飾品を身にまとった姿であらわされることもあります(写真は次回ご紹介します)。

像の姿を読み解く

右手のポーズ:施無畏印(せむいいん)

この菩薩像の右手は、胸の高さまで上げられ、手のひらを外側に向けて五本の指をそろえて伸ばしています。これを「施無畏印(せむいいん)」といいます。

「おそれなくてもよい」という意味のポーズです。仏が人々の不安や恐怖を取り除き、安心を与えることを示しています。

仏伝(お釈迦様の伝記)には、釈尊が酒に酔った象を止めて人々を守ったときの姿が由来であると記されています。

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左手のポーズ:与願印(よがんいん)

左手は下に下げ、手のひらを前に向けています。これは「与願印(よがんいん)」といいます。

人々の願いを聞き入れ、望むものを与えるという慈悲の心を表しています。右手と左手で「安心してください、あなたの願いを受け止めます」というメッセージになっているわけです。

光背(こうはい)と唐草模様

光明をあらわす光背

菩薩像の背中には「光背(こうはい)」と呼ばれるものがあります。体から発せられる光明をかたちにしたもので、仏や聖人が神聖な存在であることを視覚的に示しています。

光背は仏教だけのものではありません。キリスト教の聖人画にも見られますし、仏教よりも古いゾロアスター教にも同様の表現が見られます。宗教を超えて世界中に広まった、普遍的な表現なのです。

唐草模様が語るシルクロードの旅

この光背には「唐草模様(からくさもよう)」が描かれています。蔓(つる)や葉が絡み合いながら伸びる様子を図案化した植物文様で、長寿や繁栄を意味する縁起の良い「吉祥文様(きっしょうもんよう)」です。

この模様の起源はなんと古代エジプトやメソポタミア。シルクロードを通って各地に伝わり、500年頃には中国へ、そして奈良時代には日本へと届きました。

山西省で552年に造られたこの菩薩像の光背に唐草模様が描かれているということは、この模様がシルクロードを経てすでに中国に根づいていたことを物語っています。

おわりに

北斉時代552年に山西省で造られたこの菩薩立像。右手に「おそれなくてもよい(施無畏印)」、左手に「あなたの願いを受け止めます(与願印)」というメッセージを込めて、1500年近くのあいだ静かに立ち続けています。

背中の光背には、古代エジプトを起源とする唐草模様が刻まれ、シルクロードでつながった人類の交流の歴史まで感じさせてくれます。

東洋館にはまだまだ気になる展示物がたくさんあります。これからも何回か足を運んで、ご紹介していく予定です。次回もお楽しみに!

 

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