安慶緒の史実
安庆绪(? ~759年)は、寧州(現在の遼寧省朝陽市)出身で、ソクディアナ族。
唐の時代に反乱を起こした大臣、安禄山の次男で、母は康夫人です。
ドラマでは沈珍珠と幼なじみという設定ですが、多分そんなことはないと思います。
安慶緒は、内向的な性格で、一流の馬術と弓術の名手であったそうです。
天宝14年(755年)、安史の乱に参加し、東の都・洛陽を制圧しました。
安禄山が大燕政権を樹立すると、晋の王として即位しました。
757年、安祿山を殺害して自らを皇帝とし、年号を斉中とした。
戦況が不利になると、洛陽から撤退し、越城(鄴)に逃れました。
鄴での安慶緒 沈珍珠を皇后に冊封どころじゃなかった
ドラマでは、越城で沈珍珠を皇后に冊封していますが、その記録はないようです。
越城で沈珍珠に接吻して広平王に見せつけるシーンがありましたが、そんなこともないようです。
実際はそんな余裕もなかったようです。
安庆绪は758年の10月から759年の2月まで唐軍に包囲され、食料が不足していました。
城内では人々が互いに殺し合って食料を得ようとしていました。
米1斗の価格が7万以上、一匹の老鼠が数千円となり、壁が崩れた後の麦の殻や馬の糞を洗って食べていたそうです。
うつ手もなく困り果てていたところ、史思明が軍を引き連れてきたので、包囲していた唐軍は敗れて南へ撤退しました。
安庆绪は唐軍が軍営で放棄した食料を6-7万石以上収集し、城門を閉ざし防衛し、史思明に対抗しようとしました。が、将軍たちに反対されました。
ドラマ麗王別姫での安慶緒の最後
ドラマでは史思明が迫るなか、安慶緒が酒浸りになります。
そこで、沈珍珠が田舎で安慶緒と暮らすから唐と和睦してとお願いしました。
安慶緒は唐と和睦して、史思明と戦うことを決意しました。
そして戦争に巻き込まないように沈珍珠を城外に逃しました。
しかし、沈珍珠は史思明に捕えられてしまいました。
史思明に沈珍珠が吊るされ、処刑される寸前になりました。
その時、単身安慶緒は城門を出て、沈珍珠を救いに行きます。
しかし、多数の史思明の軍に取り巻かれて安慶緒は殺されました。
史実での安慶緒の最後
史実では史思明が安慶緒の部下をよび出したため、安慶緒は仕方なく、城門を出て史思明に会いに行きました。
759年、安慶緒は二度拝んで膝をつき史思明に降伏しましたが、安慶緒と4人の弟たち、安慶緒の腹心の部下は処刑されました。
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安慶緒についての感想
安慶緒には夫人も子供も記録にありません。
安禄山を殺したのも、糖尿病末期で人格が横暴になった安禄山を殺してほしいと側近に頼まれたからです。
軍人としては凄かったけど政治家としては力がなかった。
しかし、弟たちが安慶緒についていたことを思うと、彼のことを理解している人間にとっては、尊敬できる人だったんじゃないかと思います。
安慶緒に魅力を感じる人もいるでしょう。
女っけを全く感じなかったけど何もなかったのかな?
作家さんが安慶緒を可愛い皇女から慕われながら、目もくれず、ただ一人の美女を一途に思う男性にしてあげたんだと思います。
安慶緒を演じていたマオ・ズージュンさんについて
安慶緒役のマオ・ズージュンさんが紫のマントを翻しヒロインのために城門を単騎で飛び出し、あえなく殺されてしまうシーンは女性ファンの悲鳴を誘ったのでは。
モデルさん出身のせいでしょうか、とても古代衣装が似合います。
私生活ですが、ちゃんと綺麗な彼女さんがいて結婚したようです。
臭豆腐が好きなんだそうで、やはり、杭州の人ですね。
今度はコウラン伝で始皇帝の父役をやっていました。
ドラマ麗王別姫では、皇女に追いかけられる役でした。
またしても趙の国の王女(創作上の姫)に追いかけられる役です。
冷たくされれば、女性の恋心は燃え盛るのでしょうか。
彼の当たり役のようです。