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大宋宮詞47話 封禅の儀と玉冊 – ドラマから歴史への旅

ドラマで描かれた封禅の儀

中国歴史ドラマ「大宋宮詞」第47話では、宋真宗趙恒が封禅の儀を執り行うため、一行が泰山に到着する場面が描かれていました。

封禅とは、皇帝が天地に対して行う最も重要な祭祀の一つで、王朝の正統性と皇帝の徳を天に示す神聖な儀式です。

実在する封禅玉冊との出会い

驚くべきことに、ドラマで描かれた封禅の儀式で実際に使用された玉冊が、

台北の故宮博物院に現存しています。

所蔵情報:

  • 名称:宋 真宗 祥符元年 禅地玉冊
  • 場所:3F|展示室306|敬天格物―院蔵玉器精華展

玉冊制作の歴史的背景

『宋史』や『宋会要』などの史料によると、この玉冊には興味深い歴史があります:

太宗時代の準備と挫折

北宋太宗の太平興国年間(976-982年)、唐玄宗時代の「禅地玉冊」と玉璧が出土しました。

これに触発された宋太宗は封禅の儀式を行う意向を持ち、新たな玉冊の制作に着手しましたが、

宮殿火災により計画は中止となりました。

真宗による封禅の実現

宋真宗大中祥符元年(1008年)、ついに封禅の儀が実現しました。

真宗は人々に命じて唐代の冊を元の場所に埋め戻し、その上に壇を築いて禅礼を行いました。

使用された玉冊は太宗時代に準備されていたもので、祝詞を追加するのみで済んだのです。

なぜ「玉」なのか

封禅の儀式で玉が用いられる理由には深い思想的背景があります。

古代中国では、美しい玉が持つ精気(霊的な力)が人間と神々を媒介する力を持つと信じられていました。

玉は単なる装飾品ではなく、天と地、神と人をつなぐ神聖な媒体だったのです。

政治哲学としての封禅

故宮博物院の解説によれば、封禅玉冊は中華文化における重要な政治哲理を具現化しています:

  • 敬天法祖:天を敬い、祖先の教えに従う
  • 以徳配天:徳をもって天に配する

「民意」の拠り所である「天」は、人間世界の帝王の庇護者であり、同時に監督者でもありました。

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皇帝は天の意志を体現し、同時に天の審判を受ける存在だったのです。

ドラマと史実の架け橋

「大宋宮詞」で描かれた封禅の場面が、実は史実に忠実であったことが、

この玉冊の存在によって証明されています。

ドラマの中の儀式的な場面が、実際の歴史的事実に基づいていたことがわかります。

台北故宮博物院への誘い

この貴重な玉冊は現在、台北故宮博物院で実際に見ることができます。

詳細な説明は故宮博物院の公式ホームページに掲載されており、

実物を間近で見る機会は貴重な体験となるでしょう。

ドラマで見た場面と実際の文物が結びつく瞬間─、まさに醍醐味です。

 

 

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