潜龍の徳とは
徳を身に有していながら自ら隠れている人物。
その名声が世に知れ渡ることも求めない。
世の人にあの人は正しいとか立派であるとか評価されなくても苦しまない。
道の行われる世(天から求められる、人々に望まれる時には)、
その道を行うが、そうではない時には、あえて避けて行わない。
そのような人物を、潜龍の徳があるという。
潜龍は淵にあり必ずや天高く昇る 潜龙在渊 腾必九天
董承の反乱は失敗に終わりました。
これは、わざと情報を漏らして満寵の疑いをそらし、楊修を曹操の内部に送り込むためのものでした。
董承は長安からの逃避行にずっとついてきてくれた漢王朝の重臣です。
また娘の董妃は、皇帝の子供を孕っていました。
それを、切り捨てて、漢王朝のためだという伏寿らの陰謀は、冷酷で受け入れられないものでした。
龍平は、このような犠牲を払わなければならないのなら、ならば皇帝を辞めてやると言って出ていきます。
その時の伏寿の言葉です。
「潜龍」はまだ世に出ていない君子、あるいは位に就いていない天子を表します。
ここでは、龍平を指します。
その龍が「淵に在る」のは、天に飛翔する機を窺い、潜るか飛躍するか定まらない状態を言います。
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上ろうとしているのか或いは下ろうとしているのか、またあるいは進もうとしているのか、退こうとしているのか、
行動が一定しない状態ですが、これは、
然るべき時になったら大きく飛躍するための修行のきかんです。
龍は然るべき時が来れば、雲を呼び必ずや天に昇ります。
しかし、まだ今は躍り上がらず淵に潜んでいるのだと。
淵に潜み隠れている龍であるから、まだその才徳を顕にすべき時ではないと。
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