自分に不利な噂が立った時
宮中で禁忌とされる山猫が宴(うたげ)に現れ、けがをした貴妃(きひ)は、劉娥(りゅうが)が山猫を呼び込んだという噂を流します
これは、劉娥を陥れるための噂です。
楊美人は、噂を止めるよう、皇帝に勅令を出してもらおうと劉娥に言います。
が、劉娥は禹の父 鯀 (こん)の話をしてそれを止めます。
鯀の治水
黄河はしばしば洪水被害をもたらしました。
洪水被害を出さないために、禹の父 鯀 (こん)が工事をまかされました。
そこで、彼は、天帝の土を盗んで堤防を築きました。 (洪水を埋め塞ぐという方法「湮」)
言うなれば、いろんなところから土をかき集めて堤防を高く丈夫にしました。
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しかし、黄河の水の前には、その努力は身を結びませんでした。
堤防は決壊し、洪水は変わらず毎年発生してしまいました。
禹の治水
子の禹(う)は父の工事を継ぎました。
彼は、堤防を高く積み上げる「湮」では洪水を止めることはできないと考えました。
禹は大地を広げて水を流し「導」(疎通させる)することにしました。
即ち、もともと低かった土地をさらに低くして、高かった土地に土を盛り上げて高くしました。
その結果、川は滞ることなく海に導か れ、堤防の決壊は止まりました。
この物語から得られる教訓
無理に噂を止めようと躍起になって人の口を塞いで歩いても堰き止められない。
ならば、人の噂話を上手に利用して自分の有利になるように流す、と劉娥(りゅうが)は言ったのです。