劉娥は安産祈願のために訪れた寺で民衆を謁見した際、ある女性から「男児を授かる」と甘露(かんろ)を渡されました。
危険を感じた楊美人に口にすることを止められました。
しかし、劉娥は、漢書宣帝紀の一節を読み上げ、甘露を口にし、結果流産してしまいました。
漢書宣帝紀
乃者鳳皇集泰山、陳留,甘露降未央宮
nǎi zhě fèng huáng jí tài shān 、 chén liú , gān lù jiàng wèi yāng gōng
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鳳凰皇帝は泰山・陳留に集い、
未央宮(漢の高祖劉邦が長安の竜首山に造営した宮殿)には甘露が降った。
宣帝とは中国皇帝の中で名君の一人とされている。(前漢中興の祖)
甘露とは、皇帝が高徳であると、これに応じて天から降るとされています。
趙恒は高徳であるから甘露が降ったのだと民衆に示さなくてはなりません。
そのために、劉娥は、民衆から捧げられた甘露を飲まざるを得なかったと思います。