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既来之,则安之 「ここに来たからには、落ち着け」- 古典から現代への言葉の旅 宮廷女官若義

既来之,则安之

jì lái zhī , zé ān zhī

「夢に迷い込んでしまって 現実に戻りたいのに目が覚めないのです」

宮廷女官若義のこの切ない訴えに対して、第四皇子が答えた言葉が「既来之,则安之」でした。これは古い中国のことわざです。

言葉の意味と由来

既来之,则安之 は「ここに来たからには、落ち着いて最善を尽くすべき」という意味の中国古典のことわざです。英語では “Since you are here, you may as well stay and make the best of it” と訳されます。

論語での原典

この言葉の出典は『論語・季氏篇』にあります:

「夫如是,故远人不服,则修文德以来之。既来之,则安之。」

孔子は統治者に向けて、「遠くにいる者がまだ服従していないなら、仁・義・礼・音楽で彼らを説得しなさい。すでに来ているなら、平和に住まわせなさい」と説いたのです。

清朝での用法

清朝の作家・吴趼人(ご・けんじん)の作品にも登場します:

「但既来之,则安之,姑且住下再说。」

「でも、ここにいる以上、とりあえずここに残って話をしよう」という、より日常的な使い方が見られます。

論語における深い意味

孔子が語った原文の文脈では、この言葉はより大きな政治哲学の一部でした:

  • 領主にとって恐れるべきは貧困ではなく不平等
  • 恐れるべきは人口減少ではなく不安定
  • 富の平等があれば真の貧困はなく、安定があれば転覆の危険もない

「既来之,则安之」は、武力ではなく徳によって人々を治める理想的な統治を表現した言葉だったのです。

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現代作品での解釈の違い

若義の解釈

「ここにいる以上、とりあえず平穏だし、私は楽しまなくちゃ」

若義は現状を受け入れつつも、そこに楽しみや喜びを見つけようとする前向きな姿勢を示しています。

第四皇子の解釈

「ここにいる以上、落ち着いて最善を尽くせ」

第四皇子の解釈は、より原典に近い厳粛で責任感のある態度を表しています。現状を受け入れるだけでなく、その中で自分の役割を果たすことの重要性を説いています。

状況を受け入れる勇気 – 変えられない現実に抗うのではなく、まずはその状況を受け入れること

最善を尽くす姿勢 – 置かれた環境で自分にできることを見つけ、全力で取り組むこと

内なる平安 – 外的な状況に左右されない心の安定を保つこと

「既来之,则安之」は単なる諦めの言葉ではありません。むしろ、困難な状況においても希望を見つけ、そこで最善を尽くそうとする積極的な生き方の指針なのです。

夢から覚めることができずに困惑する若義に、第四皇子が贈ったこの言葉。それは「今いるこの場所で、あなたなりの最善を見つけなさい」という、深い愛情に満ちたものでした。

ドラマ視聴者は、次期皇帝になるから、若義が第8皇子から第4皇子にのりかえたようにみえるかもしれませんが、

物語が進むにつれて若義があの時かけられた言葉の意味を振り返り、真意がわかることによって、第四皇子への愛が芽生えていくのだと私は思います。

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