強いもののみに仕える蔡沢
蔡沢は戦国時代の秦の丞相で、燕（現在の河北省）に生まれました。
若いころは各地を巡って有名な教師に師事し、その過程で諸侯に官職を求めたが、採用されることはありませんでした。
キングダムでは、蔡沢が「強いものにのみ仕える」と述べていますが、秦しか自分の説を受け入れるだけの度量がないということでしょう。
司馬遷は蔡沢を「屈辱に耐え、強い秦の力を信じ、発展を目指す意志を貫いた」と賞賛しています
蔡沢は10年以上秦に住み、昭王、孝文王、荘襄王に仕えました。
最後に秦の始皇帝に仕え、燕に渡りました。蔡沢は3年かけて同盟を成功させ、燕の王を説得して太子丹を秦に送らせました。
蔡沢の業績
キングダムでは、斉国を合従軍から離脱させ、秦王嬴政と斉王を引き合わせ密約を結ばせた
となっています。
残念ながらこの密約の情報などは資料がないので、創作に委ねるしかありません。
斉は長平の戦いで、趙が食料の援助を頼んだ時も断っています
斉は秦が他国を亡ぼしても動こうとしませんでした。
蔡沢の評価
蔡沢は「満月は迷月」「使命を果たして退く」という道教の思想を重視しており、宰相を数ヶ月務めただけで辞職し、その後、
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秦の始皇帝の時代に燕に渡りました。
キングダムでは、秦と斉の密約を結ばせた影の外交官とされていますが、
影の働きを信じない人からは、
宰相に任命されたが、彼の野望は長く富貴栄華を享受することであったから
一度満足するともはや進歩することはなく、大きな功績を残すことは難しかった。（司馬遷）
と評価されています。
司馬遷は、蔡沢の前の宰相范雎のアキレス腱は「徳は必ず報いられ、恨みは必ず復讐されなければならない」という、
感情的になりすぎることで、名将白起の死を招いたとも述べているので、
蔡沢の道教の思想は、その反省にも立っていると私は思います。
蔡沢の働きは、永遠に秘密に葬り去られるはずでした。
それをキングダムの作者は表に出したので、素晴らしいと思いました。
また蔡沢は昌平君はただの優秀な軍人という駒では終わらないと見抜いていた設定も素晴らしいと思いました。
