ITRI(工業技術研究院)とは
台湾新竹に、技術研究開発を通じて、産業を発展させ、経済的価値を創造するという使命を持ったITRI(工業技術研究院)があります。
台鉄新竹駅よりタクシーで30分くらいの距離にあります。
ここは、世界で最も成功した応用研究機関研究所2カ所のうちの一つです。
6000人の専門研究員を擁し、3万件の特許を取得しています。
顔認証技術、マイクロ波分光技術、自動運転などお馴染みの研究成果を挙げています。
1973年の設立以来、日本でもお馴染みのTSMCなどの会社をスピンオフしています。
今回、ITRI資料館を見学させていただいたので紹介します。
ITRIに入るには
事前に予約が必要です。
IRTI敷地入り口ゲート横に事務所があります。
そこで、パスポート、と予約を照合します。
そして入構証をもらいます。
そこからさらにゲートがあり、守衛さんがいます。
守衛さんに入構証を見せていよいよITRI敷地内に入れます。
写真は遠慮しましたが、広い敷地内に多くのビルディングがたっています。
最先端の研究が行われているのでセキュリティが厳しいです
ITRI歴史
ITRIホームページに史料館の音声ガイドが公開されています。
1970年代前半、アメリカを中心とする国際連合の撤退とオイルショックにより、台湾経済は大変困難に陥りました。
そこで1973年、台湾経済産業省は、3つの国立研究機関を統合し、工業技術研究院を設立しました。
そして、1976年、集積回路の研究開発技術を取得するために、7人の研究員をアメリカに派遣し、帰国したメンバーを中心として研究開発と新興技術産業の育成に取り掛かりました。
1987年、UMC台湾集積回路製造会社とTSMCを成立させました
1996年、LEDの会社、晶元光電を成立させました
ITRIの歴史と展示物
ノートブックパソコン
広告
イーサネット
プリント基盤
カーボンファイバー
ウルトラファインファイバー
などの原型がわかる展示があり、従来の得意の集積回路関係のものとは別に
AI 自動運転
糖尿病性眼画像解析
などの医療分野の展示もありました
ITRIが実現した技術
AI,
半導体チップ、
通信
情報セキュリティクラウド
ITRIの今後の戦略
スマートリヴィング:自動運転車 災害マップ
クワリティヘルス:緑内障、加齢黄斑変性などの診断と薬
サステナブルエンバイロメント
が伺える内容でした
自分が行って面白かったのは、引き出しでした
ITRI史料館にあったシリコンウエハ
半導体の説明のところにあった引き出しを開けるとダイジング前のシリコンウエハの歴史的模型が入っていました。
時代につれて、どんどん細かくなっていく様子がわかります。
専門の方が来ると本当に面白いと思います。
現在では3次元的な試み、パッケージまた、それに伴う諸問題の解決をどうするかなどの研究が行われているようですが、ここから先は、秘密の仕事になるそうなので割愛します。
TSMCとファーウェイ
工業技術研究院を母体として生まれた半導体会社のTSMCは圧倒的なシェアを誇ります。
アメリカと中国の対立で、アメリカがTSMCに中国のファーウェイに半導体を売らないよう圧力をかけているそうです。
わずか40年にも満たない歴史の会社がここまで世界に影響を与えるのか
またわずか人口2300万人しかいない台湾でなぜITRIができたのか
台湾の力に圧倒されました
日本にはITRIに相当するものはないの?
私は悲しくなりました。
人口1億の日本にITRIはないの?
日本には国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)がつくばにあるそうです。